第6章 愛しすぎている~風間千景編~
「…………ぅん…」
温かく心地好い感触に気が付くと、私は千景の裸の胸に抱かれていた。
「目覚めたか?」
千景の大きな手が私の髪を鋤くように撫でている。
何故千景が裸なのか不思議に思い、ふと感じた肌触りに気付くと、千景が着ていた着物が私の下に敷かれていた。
「千景…………これ…」
「ああ……布団が濡れてしまったからな。
お前の身体を冷やす訳にいかぬ。」
途端に私の顔は火照ってしまう。
千景に激しく絶頂させられて私が大量に吹き出してしまったせいだ。
そんな物の上に千景の上等な着物が敷かれていると思うと、とても恥ずかしくて何故だか申し訳無かった。
「……ごめん…なさい。」
私は顔を真っ赤に染めて謝罪した。
「そうさせたのは俺だ。
お前が謝る必要など無い。」
千景の顔をまともに見られなくて、私はその裸の胸に顔を埋めた。
千景の身体はその胸にも私を抱く腕にもしなやかな筋肉が着いていて、鍛えられているのだと直ぐに分かる。
店主から金持ちの道楽息子と聞いていたのに、とてもそうとは思えなかった。
私の髪を撫でていた千景の手がゆっくりと下がって来て、腰から背中にかけて誘うように擦り上げる。
「身体は辛くないか?」
優しく問う千景の胸に顔を埋めたまま
「ん……大丈夫。」
私が掠れた声で答えると、千景は途端に上体を起こし私を見下ろした。
「では……続けるぞ。」
「………え?」
「まさか、あれで終わりだと思ってはおらぬだろうな?
まだ足りぬ。
もっとお前を俺に寄越せ。」