第6章 愛しすぎている~風間千景編~
そのあいつと同じ顔をした男の股間に私は顔を埋めている。
身震いする程悔しくて、情けなくて……私は今思い出した事を払拭するように男に与える刺激を激しくしていった。
「………………っ」
流石にそれには男の物も反応して途端に大きく膨張し、僅かに息を上げ快感を引き寄せようとしている。
でもどれだけその行為に必死になってみても、思い出してしまったあいつは私の中から消えてくれない。
消えてくれる訳が無い。
だって私が咥えているのは、あいつと同じ顔をした男なのだから……。
刹那、もう枯れていた筈の涙が堰を切ったように溢れてしまう。
この涙にどんな意味が有るのか自分でも分からなかったけど、それでも男を刺激する行為は止めなかった。
止めてしまったら……私の負けだ。
突然、男が私の頭を抱え込んだ。
「……んっ………ぐ……」
太く固い牡茎に喉の奥を突かれ嘔吐いた瞬間
「………っ…………有希っ……」
男は私ではない女の名前を呼びながら……私の口の中に欲望を吐き出した。