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薄桜鬼~いと小さき君の為に~

第5章 僕は風 君は空~沖田総司編~


だけど夕刻になっても有希ちゃんは戻って来なかった。

陽が落ちて暗くなった頃には流石に不安になって、僕は庵を飛び出して松本先生の医学所に向かう。


医学所に居た松本先生に有希ちゃんの事を問うと、昼前には此処を出たらしい。

じゃあ、屯所で足留めされてるのだろうかと向かおうとした矢先、其処に左之さんが飛び込んで来た。

「総司っ……お前、此処に居たのか?」

左之さんは僕の姿を見て何故か気まずそうな顔をする。

「左之さん、有希ちゃんは?
 まだ屯所に居るのかな?」

「あ…ああ。取り敢えず屯所に来い。
 それから……松本先生も一緒に……」

松本先生も一緒?

僕と松本先生は同じ様に訝し気な顔をした。

嫌な予感がぞわぞわと身体中を這い回る。


有希ちゃんに何があった?

怪我……?病気……?


僕は居ても立っても居られなくて、左之さんより先に医学所を飛び出した。
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