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薄桜鬼~いと小さき君の為に~

第5章 僕は風 君は空~沖田総司編~


「土方さんは……
 僕なんて居なくなればいいって思ってるよ、きっと。」

そう自嘲すると、有希ちゃんは僕を叱り付けるような声色で言った。

「そんな事ある訳無いじゃないですか。
 さっきだって土方さんは総司を頼むって
 私なんかに頭を下げられたんですよ。」

真剣な眼差しを向ける有希ちゃんに、僕は微笑んでみせた。

「有希ちゃんは……優しいね。」

自分の言った事を僕を慰める為の嘘だと取られたと思った有希ちゃんが、また一段と大きな声を上げた。

「違いますっ。本当に土方さんは……」

「ここ……おいで。」

有希ちゃんの言葉を遮るように、僕は胡座をかいている自分の膝をぽんぽんと叩いて誘う。

有希ちゃんは少し悲しそうな目をして、ゆっくりと僕に近付くとその膝に収まった。

「沖田さん………」

「……ん?」

「本当なんですよ。本当に……」

「ん……分かった。」

土方さんが本当にそう言ったかどうかなんてどうでも良かった。

僕を苦しめるたった一つの真実は、今、近藤さんの隣に居るのが僕ではなく土方さんなんだって事だから……。

只、有希ちゃんが側に居てくれるから、僕は叫び出さずに居られるんだ。


「有希ちゃん……」

僕の膝の上で俯いていた有希ちゃんが顔を上げる。

「ごめん……今日は我満出来ない。」

そのまま有希ちゃんを押し倒して激しく唇を貪った。

「んっ………」

舌で有希ちゃんの唇を抉じ開けて乱暴に口腔を舐め回し、その間に僕の手が有希ちゃんの着物を割って内股に進んで行く。

「お…沖田さん……駄目…です……」

有希ちゃんが身を捩りながら僕の胸を押し返したけどお構い無しに秘裂に指を這わせ、その中に指を差し入れようとした瞬間……

「駄目っ!」

有希ちゃんの両手が力一杯僕の身体を突き上げる。

これ迄に無い激しい抵抗に驚いて僕が身体を離すと、有希ちゃんは慌てて僕の下から抜け出した。
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