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薄桜鬼~いと小さき君の為に~

第5章 僕は風 君は空~沖田総司編~


「…………ん」

寝かせた布団の中で有希ちゃんが目を覚ます。

あの後、僕が吐き出した物を全て受け止め終えた有希ちゃんは、とろとろと白濁を内股に滴らせながら板壁を這うように崩れ落ち、そのまま意識を失った。

僕は慌てて有希ちゃんを抱え上げ布団に寝かせてから、ずっとその傍らで有希ちゃんの顔を見つめていたんだ。

「有希ちゃんっ……
 良かった……気がついたんだね。」

僕がそっと頬を撫でると、有希ちゃんはほんの僅かに笑ってくれる。

その壊れてしまいそうな笑顔に僕の胸は握り潰されるように締め付けられ、罪悪感や自分に対する嫌悪感が一気に吹き出した。

「ごめん……ごめんね。有希ちゃん……ごめんね。」

震える声で謝り続ける僕を、有希ちゃんは悲しそうな目をして見上げている。

「どれだけ謝っても…許されない事をしちゃったよね?
 でも僕は……有希ちゃんが居ないと駄目なんだ。
 有希ちゃんに触れていないと…駄目なんだよ。」

遂には僕の目から涙が零れ落ちる。

「君だけが僕の存在を確かな物にしてくれる……から……」

俯いて身体を震わせる僕を、起き上がった有希ちゃんが包み込むように抱き締めてくれた。
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