第4章 それは「子供」と「大人」の「狭間」で歌った日
「え、ヨリ戻したの?」
驚いた声が隣から聞こえる。
居酒屋のテーブル席。
大地と旭と飲む約束をして、その席でと付き合っていることを話した。
それに驚いたのは旭だった。
隣から「マジで?」と連呼する。
「本当だよ」
「言っちゃなんだが、そのって子もなんでまた……」
言いたいことはわかるよ、旭。
「スガは、さんのこと大事にできるのか?」
「大事にするよ。償い、みたいなものだし……」
「そう言う付き合い方はどうかと思うけどな、俺は。まあ、いいんじゃないか。俺達に口出す権利はないよ」
大地は随分と大人になった。
そりゃそうか。
人間、月日が経てば大人になる。
俺は、見た目は大人になったけどきっと中身は子供だ。
「じゃあ、俺もう帰るよ」
そう言って立ち上がれば、大地たちも立ちあがり勘定を済ませ自分たちの家へと帰った。
家に帰った後、軽くシャワーを浴びて布団に横になった。
スマホの画面を開く。
彼女からの連絡はない。
当たり前だ。
付き合っているとはいえ彼女には彼女の生活がある。
学生の時の様にはいかない。
飽きもせず、毎日メールやら電話やらして。
よくやったもんだよ。