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砂時計【菅原孝支】

第3章 それは「憧憬」と「嫉妬」と「傍観」し過ごした日





高校生になった。
新しい制服に身を包んで、新しい環境で新しい毎日を過ごすというのに、俺はあまりドキドキしなかった。

頭の中ではのことを考えていた。
あんなひどいことをした俺を彼女は許してくれた。
そんな彼女のことが気になっていた。

彼女は俺のために進路を変えた。
そのことを思うと心臓が締め付けられるほど苦しくて、吐きそうになる。

俺は、頭を振った。
こんなことを考えるのはやめよう。
俺は彼女の優しさが嫌だった。
彼女のそばに居ると、自分の醜さがわかってしまう。
だから別れたんだ。

「よしっ」

俺は自分の頬を叩き、校門をくぐった。





放課後、俺は体育館へと向かった。
バレー部へ入部するために。
しかし、一度全国に行ったはずの"強豪"はすでに"堕ちた強豪、飛べない烏"と呼ばれていた。

だけど、俺は夢見ていた。
もう一度そこに行けるということに。
それは同期の大地や旭も同じ考えだった。

「絶対行こうな!」

まるで呪いの言葉のように俺たちの胸の奥にしがみついた。
でも、嫌じゃなかった。
むしろ居心地がいいというか、安心したというか、とにかく嫌ではなかった。


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