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砂時計【菅原孝支】

第3章 それは「憧憬」と「嫉妬」と「傍観」し過ごした日




2年の秋。
大地と旭、そして俺は部活がない休みの日、遊びに出掛けていた。
映画観たり、カラオケ行ったりしてめったにない休日を楽しく過ごしていた。
夜の7時を回った頃だろうか。
大地が欲しい本があるとうので、本屋に言った。

俺と旭はその間ジャンプを読んで、
「今週のワンパークやべえな」とか「ギンタマンどう?俺何気あれ好きなんだよね」とか話していた。

と、その時本屋の入り口。
俺の目の端に見覚えのある姿を見つけたような気がした。
目を移すと、そこにはがいた。
見間違いではない。

あの頃と変わらない笑顔がそこにあった。
ただ一つ違うのは、彼女の隣に知らない男がいたということ。
身長が高く、顔立ちが整った男だった。

彼女の笑顔があの男に向けられているのかと思った瞬間、心の中がざわついた。
でも、彼女の「倖せ」を見て暴れていた心は泥沼に沈む。

「スガ、どうした?」

心配そうに俺の顔を覗き込む旭。
俺は適当に笑って「なんでもない、大丈夫」とだけ返した。

そのあと、大地が本を買って戻ってきた。
夜は3人でらラーメン食べて「また明日」と言葉を交わし別れた。

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