第15章 和解
ガヤガヤ…
カランカランッ
横渋村丸錦大「いらっしゃいませ~」
「2人なんですけど…」
丸「席案内しますね」
「すみません。お会計を…」
横「ランチで3,000円になります」
「はい」
横「ちょうどお預かりします」
「…あの…」
横「はい??」
「ケーキ、作る人変わりました??」
横「えっ??」
「前に食べたのと違う気がするんです。ね??」
「うん…。前に食べたときはここにしかないって感じのケーキだったけど、今日のはどこかで食べたことある味だったよね??」
「確かに。どこだったかなぁ??思い出せないんだけど…」
「ランチもおいしいけど、あのケーキも楽しみにしてたのに…残念」
横「すみません…」
「余計なこと言ってすみません…ごちそうさまでした」
「「ごちそうさまでした」」
カランカランッ
横「ありがとうございました…」
村「横??」
横「やっぱり、常連さんには分かんねんな…」
村「なんか言われたん??」
横「ケーキの味変わったって。ケーキを楽しみにしてたのに残念やって」
村「それって、風月ちゃんよりちゃんのケーキの方がええってことか??」
横「せやな。しかも、風月ちゃんのケーキはどこかで食べたことある味やって」
村「風月ちゃんが他のところで働いてるんやから仕方ないんちゃう??」
横「それなら、同じところで働いてたちゃんのも同じ味がするはずやで。やけど、その違いがハッキリしてるってことやろ」
村「確かに…」
丸「それなら、ちゃんのと同じ味はだせへんよ」
村「丸??」
横「どういうことや??」
丸「ちゃんは、毎日の気候によって少しづつ味変えてるからね。今日は暑いから少しあっさりにしようとか…全部ちゃん独特の感覚でしてたから、レシピがあったとしても同じものは誰も作れへんよ」
横「…」
丸「それに風月ちゃんがケーキ作ってるわけちゃうで」
村「はっ??」
丸「俺、見てしもうてん。2人も、いつもより1時間ぐらい早く起きたら、分かるよ」
「すみません~‼」
丸「はいは~い‼」
横村「……」
村「丸は何を知ってるんやろ」
横「さあ…」