第3章 3人の思い
~5年前~
ザワザワ…
カチャンッ
横渋村「おつかれ~‼」
横「今日もしんどかったわぁ」
村「得意先周り??」
横「せやねん。しかも、上司が俺に全部仕事回してくんねん」
村「つらいなぁ…まぁ、俺もそないに変わらんけど(苦笑)」
横「これがあと何年続くんかなぁ…(苦笑)」
村「俺ら、まだ20代やで」
横「そんなん、分かっとるわ」
渋「…横、ヒナ、そんなに仕事辛いんか??」
村「そりゃぁ、生活していくには我慢せなあかんしな」
渋「……」
横「学生みたいに、誰かに食わせてもらうって言うわけにはいかんからな」
渋「…あのさ…」
村「どしてん??」
渋「…あんさ、そんなに辛いんやったら仕事辞めて、俺と店やらへん??」
横村「はっ!?!?」
渋「やっ…。あの…通ってた高校の近くの商店街の端に古びた建物あったの覚えとる??」
横「お化け屋敷??」
渋「そう。実は、あの建物が俺のじぃちゃんの持ち物って最近聞いてん。元々喫茶店しようとして建てたらしいねんけど、できる直前にばぁちゃんが体調崩してもうて結局、喫茶店もせずそのままになってたらしいねん。で、それを取り壊すみたいな話しをしてたから、頼み込んで俺に譲ってもらってん。で、設備もみな揃ってるから店開こうかと思ってんねんけど…」
ガヤガヤ…
横「……喫茶店するんやったら、誰かが料理せなあかんねんで。誰が作るねん??」
村「…あと、俺らの住むところは??」
渋「えっ…??」
横「俺、そないに料理でけへんで」
渋「横??」
村「その建物、住めるん??」
渋「ヒナ??」
横「すばる、なんて顔してんねん(笑)」
村「喫茶店やりたいんやろ??(笑)」
渋「おまえら…(泣)」
村「こんなとこで泣くなや」
渋「だって…今までのもん、全て捨てることになるんやで」
横「大事な幼馴染みが困ってんで。助けへんわけないやん」
渋「横~(泣)」
村「俺、おいてけぼりやん(笑)」
横「(笑)すばる、明日からって訳にはいけへんから、少し時間くれへんか??」
村「せやなぁ…」
渋「どんくらい??」
横「早くて2ヶ月…」
村「そんなもんやなぁ…」
渋「…分かった。でも、ほんまにええんか??」
横村「エエって言ってるやんか(笑)」