第3章 3人の思い
村「最近、商店街の中の老舗の喫茶店がだんだんと店閉めてるやん。みんな口揃えて、今時のお店には勝たれへん。って」
横「……」
村「確かに、本屋に置いてる情報誌もスィーツ特集とか大きな見出しつけて、今時の若い子に受けそうなものばっかり載せてるやん。やから、昔ながらの喫茶店やと太刀打できひんなぁって」
横「でも、昔ながらの喫茶店にしかないものもあんねんで」
村「喫茶店にしかないもの??」
横「時間や。今はみんな時間に追われすぎてんねん。雑誌に載ってる店、行ったことあるか??」
村「いや…ないけど…」
横「みんな、食べるだけでそんなに長居せえへんねん」
村「長居しとるやつも中にはおるで」
横「確かにおるけど、周りが入れ代わり立ち代わりしとったら、それにつられるやん」
村「たしかになぁ…」
横「喫茶店はそんな感じやないやんか。外とは違う時間か流れとるから、その人の気がすむまでずーっとおれるやん。」
村「せやなぁ…」
横「最初にここに来たときに、すばるが言ってたやん。誰もがくつろげるようなそんな喫茶店にしたいねん。って」
村「そう言えば、そんなん言っとったなぁ」
横「やっと、すばるの描いとる喫茶店に近づけそうやな」
村「長くかかってるけどな」
横村「(笑)」