第1章 再会と始まり
ハンター試験ー
それは、年に一回行われるハンターになるための試験。
いろいろな猛者が集まる場所でもある。
その試験会場に今現在私はいる。
理由は、簡単だ。
ハンターのライセンスを持っていれば、いろんな情報や仕事が手に入り、私の仕事もしやすいからだ。
私は、情報屋だ。
私の情報屋の報酬は、ちょっと変わっている。
仕事の報酬は、お金か仕事内容のそれ相応の情報だ。
だから、報酬が情報であれば、情報を扱う仕事以外もなんでもやるのだ。
例えそれが殺しでもー…
まぁ、どちらかといえば、何でも屋に近い感じだが……
私は、試験会場をざっと見渡す。
今のところは、まぁまぁってところね…
ちなみに私の番号は、77番。
だいたいこの試験会場に辿り着く人数は、400~500人。
まだ、待つことになりそうだ。
私は、壁に寄りかかり、黙想を始める。
~しばらくして~
私は、見知った気配を感じ、目を開けた。
(まぁ、この試験会場にも知っている人はいるのだが……)
私は、入ってきた人物を見て、はぁ…と息を吐く。
その人物も目を見開き、驚いている。
家出したとは、聞いたけど…………
まさか、ハンター試験に来るとは、ね…………
その人物とは、キルア=ゾルディック。
私が一応、専属をやっているゾルディック家の今、一番期待されている三男だ。
「ちなみ、なんでここにいんの?
まさか……監視…………とか?」
目の前にやって来て、少々の殺気と警戒心を向けられる。
「私の仕事は、情報屋。
なんで、アンタの監視をしなきゃいけないのよ」
まぁ、頼まれはしたけど…………
発狂し、私にすがり付いてきたキルアの母親であるキキョウの姿が思い浮かぶ。
でも、人の動向には興味ないし、仕事でもないし……
私は、続ける。
「今後、仕事で、ハンターになっといて、損はないでしょ?」
「ふーん……」
彼は、気の無さそーな返事をした。
「キルアは、なんでここに?
家出したって聞いたんだけど」
「あ?俺?
ただのゲーム。」
キルアらしい返答……
それからは、することも無かったので、キルアと話をして過ごした。