第16章 Sense of guilt
モヤモヤに蓋をしても、溢れ出すとさっきみたいに急に翔君が私の中に現れる。
「好きだ」と言ってくれる人に、同じように「好き」とハッキリ言えないことは、相手にとってどのぐらい辛いのだろう。
私がやっていることは、ニノ君の元彼さんとそう変わらない気がする。
「サイテーだ…。」
私はネックレスに触れた。
せっかくニノ君が選んでくれたネックレスなので、ここのところ毎日つけるようにしている。
ネックレスに触れている瞬間は、優しいニノ君の笑顔が浮かんでくるみたいで、私はその温かい感じが大好きだった。
「ちゃんとしなきゃ。」
私はふわふわした気持ちを捨てるため、決意した。
さっきニノ君に言われた言葉。
ニノ君に向き合おう。
私は図書館を出ると、ニノ君に電話を掛けた。
「あ、もしもし…?さっきはごめんね…。
うん…ニノ君に言われたこと、ずっと考えてたの。
私、ニノ君とちゃんと向き合いたい。
だから付き合ってること、翔君に報告する。
…ううん、自分で言いたい。うん。うん。
ありがとう…じゃあ、また明日ね。」