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△ Campus Life

第7章 Misinterpretation


お花見の翌日、二日酔いというやつになってしまい、私はベッドから一歩も動けずにいた。
朝、いつも通りに起こしに来てくれた翔君が窓を叩く音さえ頭に響いて割れそうで、私は這い蹲って窓の鍵を開けたのだが、床と仲良くしている私を見て、翔君はすぐベッドに戻してくれた。
結局、私はお花見から2日経って学校に復帰した。



「いや~、参った参った!ご心配お掛けしました~!」
「んふふ。まさか一口で酔っ払うなんてね。」
「初めて飲むやつに日本酒なんて与えるからだろ!」



キャンパスの廊下を歩きながら、談笑して歩く。
「またやろうね。」なんて話して、でも私はなんとなくの違和感を感じていた。



「えっとさ、私…お酒飲んだ後の記憶ないんだけど…ずっと寝てた、のかな?」



この違和感は、お花見の翌日からだった。
だから、もしかしたら「寝てた」と思ってたのは私だけで…何か粗相したのでは…。
そんな私の心配をよそに、翔君とニノ君は顔を見合わせる。



「寝てましたよ?」
「う、うん。寝てたね。」
「…そう?」



翔君、怪しいな。
やっぱり何かやらかしちゃったのかなぁ…でもニノ君が寝てたって証言してるってことは、本当なのかも…。
それじゃあ、お花見が違和感の原因じゃないとするとして、残る原因は…



「じゃあさ、翔君…もしかして好きな人とかできた?」
「は!?」



違和感を感じたのは翔君に対して。
なんというか、たぶん、外から見ればいつもどおりに見えてるんだろうけど、私からすると…少し、そっけなくなった、ような。



「あ、いや、違うならいいんだ~。なんとなく最近ノリが悪いな~というか、いつもと違うな~って思って。」



私がそういうと、また2人は顔を見合わせた。



「翔さん?」
「いやいやいや!」



ニノ君が意味深に翔君に目線を送っている。
翔君はそれに対して否定の首ふり。

なるほど。好きな人ができたのか。
たぶん、私には言いにくい人だから否定してるんだ。
誰だろ?私のゼミの子かな?
素直に言えば仲人してあげるのになぁ…。

あ、痛。まただ。
また胸がざわざわして、痛い。



「ごめん、ちょっとトイレ寄ってくから先行ってて。」



私は一言言い置いて、足早に引き返した。
引き止める声が聞こえた気がしたが、私は無視して女子トイレに向かって突進した。
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