第6章 遠き想い出
その言葉に、恵土は目を見開いた…
恵土「自分を…大事に?」
ドロロ「そうでござる!!」
恵土「ふざけんな!!」
その言葉と同時に、その手を払って立ち上がった
恵土「私が父上と母上を殺したのも同じなんだ!!
私が父上と母上から力を外さなかったら、死なずに済んだ!!
自分さえいなかったら、死なずに済んだんだ!!
私さえ死んでいれば、父上も母上も狙われなかった!!」
首を横に振り、目を瞑りながら叫ぶ
遠き過去の、血にまみれた映像をかき消そうとするかのように
恵土「私が生きていたせいで
父上と母上は死んだんだ!!!!(拳を握りながら叫ぶ)
私なんか…最初からいない方g
ぱぁん!!!!
そう直後、ドロロから
右手で思いっきり引っ叩かれたことに…
未だ、目を見開いたまま
その場にひざまずいて、固まっていた…
ドロロ「…そうでなくては…
もったいないでござろう…
せっかく生き残ったのに…
両親が…
恵土殿が生き延びて、幸せになることを望んでいるのに…!
そんな風に自身を追い詰め、殺し続けて…
それでは…幸せになれるはずもない!
ずっと、それを一人で抱え続けて…
誰にもぶつけず、背負い続けていれば
いずれ死ぬのも必至!!
だから、恵土殿…
『全力で』、拙者にぶつけて下され」
全力でを強めながら言うドロロに対し
未だに放心状態の恵土…
それに対し
その引っ叩いた頬に優しく触れながら
ドロロは言い続ける…
ドロロ「恵土殿の生き様は…
本当に美しく、立派にござる。
だが、とても脆い…
相手を大事にするあまり、自身を投げ出し
大事にしようとさえもしない…
いつも、人の事ばかりで…
自身のことは後回しばかり…
そんなことでは、幸せを感じることさえもできない!
だから…
抱いている想いも、今までぶつけたかった思いも…
過去の想いも、全部拙者にぶつけて下され。
力に…ならせては下さらぬか?」
そう、言い聞かせるようにいうドロロ…