第6章 遠き想い出
~地下のとある、優しい青い光に包まれた空間~
早苗「父上、これは何?」
「これか?
!お前には見えるのか!
これはな…伝説の刀だ。
一度(ひとたび)振れば、天地を切り裂き
全てを思うがままに出来る力を持っている。
外界とは、時間の流れが違うだろ?」
早苗「うん」
「あれは、村長となる男性が見つけたものでな。
当時は、ただの岩だったんだ。
だが、何を思ったのか…
この岩を持って、日本刀を作り上げてうったんだ。
お前のはとこ
恵土や、その父親の牙(きば)が直系の跡継ぎなんだが…
本来なら死んでいるはずだった身として
俺達の方に、村長としての立場が来たんだ^^;」
早苗「!ああ(手を打つ)
爺ちゃんが、恵土の祖父の弟だったっけ」
「そういうことだ。
お前も、跡継ぎで男なんだから…
これを持ちたいのなら
心の正しい人であり続けることだ…
いざという時、護り抜こうと必死になり
相手のために、動ける人間にな…
村長とは…村の長とは、そのためにある。
己を護れる人は、己を護り
それで護れない人を、次々に護っていった方が効率がいいし
確実に護れるからな^^」
そう笑う父親に対し…
とても尊敬しているかのような眼を向けている姿が見えた…
だが…
恵土「そんなの、違うだろ…
効率が悪かろうが、どうであろうが
敵も味方も全員を護り抜いてこそ、真の長だろうが!!」
己の答えは違っていた
恵土「皆生きてんだ!!
皆、各々を想う大事な人がいるんだ!!
それを奪って…
傷付けていいわけあるかよっ!!」
首を横に振りながら、感情を露わに叫ぶも…
早苗「うるさい!!
お前は、それを返してから言え!!
(俺が長になるんだ!」
そう応える、その眼は…
とても、正しいとも清らかともいえるものではなく…
無論、日本刀は見えなくなっていた…