第6章 遠き想い出
力とは、己を護るためにあり
周りを護り、助けるためにあらず。
そうでなくては、村は亡ぶ。
生き延びるための物資などの交換や
遊びなど以外では、協力は禁じられていた…
無駄死にを防ぐために…
それが…
村の決まりだった…
だが、恵土と同い年の村長の孫は…
「強い者が正義だ!
より多く護れるからな!」
力を重視した考えから
「なるほどな。
じゃあ、俺がお前を護ってやる!^^」
恵土の存在を、肯定してくれた…
両親以外では、初めてだった…
それで、彼が媒介になって
少しずつ、村の皆とも打ち解け合っていき…
「誰だよ、化け物なんて言ったのは」
「ごめん^^;」
「そういうのはやめようよ」
「そうね」
6歳になる頃には、村の人達全員と仲良くなり
そんなことはなくなっていた…
そうして、笑い合いながら
共に過ごすことを、初めて思い知った
こんなに楽しいとは、思いもよらなかった…
だが…
それから、2年が過ぎた
7歳8か月の時、事件は起こった…
11月20日、午後3時…
燃え上がる、村長の家…
その中に取り残される、村長の孫…
その時、小さな時の想い出を思い返していた…
草原が広がる中
父上「村の皆は、俺の両親を馬鹿だというが
俺は、そうは思っちゃいない。
おかげで、大事なことを知れた。
同じ命など、一つとしてない。
だからこそ、尊いんだと思っている(微笑」
恵土「父上!私も強くなりたい!!」
父上「そうか…
何が為に、強くなりたい?(微笑」頭に手を置く
恵土「皆を護るため!!
皆が笑って、幸せに過ごせるようにするため!!」
父上「これから先、何をされてもか?」
恵土「頷く)うん!
皆の笑顔が、大好きだから!!(微笑)
それが…
私にとって、何よりの宝物だから^^//」