第26章 境界線
ケビン「…本当に、そうか?」
恵土「ああ。
一人きりの、あの地獄は…本当に苦しい。
それでも、見方を変えれば変わってくる…
あれがあったからこそ、今なんだってことを
少しでも食い違っていたら、僅かにでも異なる
この寂しい思いも、どうしようもない苦しみも…
理解されず、苦しみ続けてきた日々も…その想いも…
例え、理解されなくても…
それでも…寄り添おうとしてくれる
その痛みを、和らげようとしてくれる…
そんな人達が、ただいるだけで…
それだけで、十分なんだって…
本気で、そう思うんだ…
だから私は…ここにいる…
また、別の世界に行くことになろうとも…
この想いだけは、決して変わらない…
どれほど辛くとも、乗り越えていけるのは…
今を生きていこうと思わせてくれるのは…
いつだって…別の世界の人たちの存在もあって
この世界の人たちの存在もあったからこそだって…
…
だから私は
捨てられないし、捨てたくない…
皆と居られる、乗り越えていけるこの日々を…
だからさ…
もう、終わりにしよう…
この闘いをさ…
皆の記憶は、一部分だけ消しておく…
だから、安心して
こっちに来てもいい…
居てもいい存在だって、教えてくれた皆が居た…
でも、お前のあれはピンポイント過ぎてびっくりだったよ^^;」
ケビン「ふっ…
俺も、感じていた懸念だった…
だが、逆に絆を…
その想いを強めてしまったみたいだな…」
恵土「そうだな…
だから、いったん帰るわ^^
お前も、来たくなったら来いよ(微笑)
いつだって、受け入れるからさ」
ケビン「…そうか。
なら、俺もいつでも受け入れる準備をしておこう」
そう笑いながら見つめ合い、別れるのだった…
神の力をもって、皆を治し
瞬間移動で、飛龍の村の、恵土の家へ帰っていく…
一つの境界線が
どこまであって、どこで終わりなのか…
それは、解りようがない…
それでも、生きなければいけない…
どう生きなければいけないのかなど解らない…
しかし、時は自然と進んでいく…
だから、自分の信じる道を生きていく…
人としてあるべき、正しい道を目指して
少しでも、誰もが幸せでいられる道を…