第19章 気付き
睦実「俺も…もっと早くに気付けばよかったかな…
いや、気付いていたとしても…
きっと、ドロロのようには
恵土を助け出せなかった…)
…奪う気はないよ。
本当なら、奪いたいって気持ちで
勝手にやればいい話かもしれないけれど…
恵土はそんなのを望んでないだろうし
何より、抱き返してはくれなかった…
恵土が抱きしめたいって思うのは
ドロロだけなんでしょ?」
恵土「!/////(かああ」
振り返りながら言う睦実に対し
無言の行程と共に、一気に真っ赤っ赤になる恵土
睦実「…だからさ…
彼女のこと、頼んだよ(微笑)
もし、泣かせたり不幸にしたら
その時は…是が非でも奪いに来るから」
微笑んでから、真剣なまなざしになり
睦実は、ドロロを見つめる…
ドロロ「…言わずとも
彼女を幸せにするでござるよ。
どんなことがあったとしても…」
睦実「…(微笑」
その言葉に、とても嬉しそうに微笑んでいた…
月夜の中、目は見えずとも
ふっと微笑み、ドアへと向かう睦実…
ドアノブを握ってから、背を向けたまま
睦実「それだけ聴ければ十分だよ。
任せたよ?(微笑」
ドロロ「もとより、承知の上でござる(微笑」
その言葉を聴き、満足げに去っていく睦実だった…
恵土「?何の話してたの?(きょとん」
ドロロ「…まさか、解らないとは;)
…いや、たわいのない話でござるよ^^;」
恵土「そっか(微笑」
そんな中…
ばたん
睦実「…」
クルル「ようやく気付いたってか?」
睦実「!クルル…
まあ、ね…
今更だけど、もっと早くに気付けたらって思った…
けれど…
それだけで救えるような闇じゃないんだってことも
もう、あの映像で解ってる…
あれは、あいつじゃなきゃ無理だってこともね…(苦笑」
目が自然と潤む
それに気付かず呟く睦実は…
少し、切なげに見えた…
夏美(何を話しているんだろ?)
そんなやり取りを
影から見つからないように見ている夏美がいた…
(寝過ごして更新が遅れ、すみません;)