第22章 ♡Story４５♡　本当の気持ちを...

「今の百合ちゃんじゃ、納得させることなんてできないよ？」



「っ......」



「だってそうでしょ？これが、百合ちゃんの本音じゃないんだもの。
だからこんなの、どんな立派な演説をしてテレビで放送されても......


ファンは納得しないよ？


もちろん、私達もみんな......」



「百合、芸能界が甘くないっていうのはこういうことなんだよ。
まだ芸能界に入って１年も経っていないお前が、
そんな理由で簡単にやめられるわけないだろ？」



「中居さんの言うとおりだよ百合ちゃん......
映画の話は、どうなるの？
もう監督さん達とも決めたことだよ？それなのに、辞めちゃうのかい？」



「っ柊さん.....」



「あのヒロイン役は、百合ちゃんにしかできない役だよ......
そう簡単に、代役が務まる役じゃない。
だって音姫っていうヒロインは、君と同じだろ......？」



「っ......」



「君と同じだから、あんな演技ができたんだと思うよ？
もしここでヒロインが変わったら、ファンやドラマを見てくれた人はどう思う？

絶対、納得なんてしないよ。」



「......。」



「納得させないまま、芸能界を辞めるっていうのはどうかと思うよ。
たとえ、向こうに言われていても......」



「お前は、そこまで無責任な奴じゃねぇだろ？
無責任だったら、あんなリアリティのある演技とかなんてできねぇだろ。
バラエティのでも、ドラマでも......」



「俺達が初めて共演した時のやつ......あの演技は本当に凄かったよ？
好きな人がいたにも関わらず、あそこまでこなすことができるなんて......
それくらい、責任感がある子なんだよ百合ちゃんは(微笑)」



「僕も、百合さんの演技を見ていつか共演したいなって思っていました。
実は僕も、この世界に入っても間もないんです。
だから、本当に貴女は凄い人です！」



「桂木さん、本郷さん、桜庭さん......」



「......百合、」