藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第16章 ♡Story40♡ すれ違う心、信じる心
「......なぜ麻井先生はあの人の言いなりなんですか?
酷いことをしているって自覚はなかったんですか!?」
「っ私はあの方に求められることが全て、どんなことだろうと......
私はあの方に忠誠を誓っているわ。」
忠誠......
なぜあの人に忠誠を誓えるのだろうか?
そんなこと、よほど好きじゃないとできないこと......もしかしてこの人、
有栖川先生のことが好き?
だから、
どんな酷い命令でも言う事を聞いちゃうの......?
「っあの人のことが、それほど好きなんですか......?」
「っえぇ......だから本当は貴女が憎いわ。
それに貴女は、藤ヶ谷先生のほうが断然お似合いだしね......」
「っそう、ですか......?」
「彼の様子を見てればわかるわ、貴女のことを懸命に守ろうとしていた。
余程貴女のことを好きらしいわね(苦笑)
部屋に入るだけでも一苦労だったわ......」
「っ太輔......」
(そんなことがあったんだ......)
「だから本当はあんなことはしたくなかった。
でも私は、雅様の為なら命だって捧げられる。
だからあの方の言うことは絶対......」
「そんなに、愛しているんですね......」
ちょっと私と似ているかな?
好きな人に求められたい、愛されたい、必要にされたいって......
ううん、誰だって、好きな人にはそう思われたいと思っている......たとえ、
間違った愛し方をしていても.......
「愛してるわ、他の女と話してるだけでも胸が苦しい。
彼が私を女としてみていなくても、
あの方の傍にいられるのなら私はそれでも構わない......」
「......その気持ちは分かります。
私も、貴女と太輔が話しているのを見ていただけなのにすごく胸が苦しかった。
貴女のことを、憎いとも思ってしまいました......」
_フッ「お互い様ね」
真琴は軽く微笑んだ。
_クスッ「そうですね」
百合も釣られるように小さく口角を上げた。