藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第16章 ♡Story40♡ すれ違う心、信じる心
「......この表紙の子は?」
「今月号から登場した新人モデルの玉森百合です。」
「とても魅力的な子だね(微笑)」
「っそう......ですわね(苦笑)」
雅様は彼女を一目見ただけで気に入った......。
そしてそれからしばらくが経ち......
「彼女を......是非とも手に入れたいね(妖笑)」
彼女を知れば知るほど彼女への感情は歪んだものへと変わっていった。
それからまたしばらくが経ち...
「ふぅん......まさか彼女に、付き合っている男がいたとはね......」
雅は握っていたペンを強く握り締めた......
_ミシッ...
そしてペンには小さなヒビが入った。
「......まさか、」
まさか玉森百合の交際相手が、私の元同僚である藤ヶ谷先生だとは、
思ってもみなかったわ、彼は恋愛にほとんど関心がないのに......
不思議なものだわ......
やはり彼女には特別な力があるのだろうか......
ふたりの交際を知ったあとの雅様は、どんどんと歪んだ感情をエスカレートさせ、
今に至る......
_現在
「俺は外で待ってる、着替えが終わったら呼んでくれ。」
「かしこまりました。......さぁ百合ちゃん、この服に着替えて頂戴。」
私は雅様から赤いドレスを受け取り彼女のもとに歩み寄る。
「......なんでドレスなんか......」
百合は顔を歪めた。
「人気モデルなんだから、ドレスを着るくらいたいしたことないでしょ?」
「っそういう問題じゃないです......
ドレスに着替える必要なんてないじゃないですか......」
「貴女に似合うと思うけど?」
「私に、そんな大人っぽいドレスなんて似合いません。
今のままで結構です。」
「これは雅様が貴女の為に選んだのよ?」
「......嫌です。」
「っそう......」
どこまで往生際が悪い子供なのかしら......