藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第15章 ♡Story39♡ 亀裂と絶望
太輔side
『っいい加減しろよ!』_パチンッ!
『っ......!』
俺はついさっき、百合の頬に向かって平手打ちをしてしまった。
百合はモデルで、芸能人......芸能人にとって顔は大事なのに傷つけてしまった。
それ以前に、
百合を怖がらせてしまった......
百合の目からは涙が溢れ出し、戸惑いと恐怖の表情も読み取れた......
ひとりの大人として、
教師として、
男として......
子供である、彼女である百合を感情のままに殴ってしまった。
今の俺は、彼氏として、
ひとりの大人として最低だ。
百合はまだ子供で、
自分の感情をコントロールできないのは10代ならでは。
百合があんなに怒ることは当たり前のことだ。
俺はそれを理解しきれず、
感情の思ったままに動いてしまった......まるで、
「っ......ぁ、えっと......」
子供のように......。
「っわり、ぃ......」
俺の口からはしょうもない言葉しか出なかった。
ちゃんと、謝らないといけないのに......
「......。」
百合は呆れているだろうか......
『最低な大人だ。』、と......
「っもういいよ!」_ガチャッ!
「っ百合!」
百合は勢いよく玄関を飛び出していった......
俺はその場に佇み......
百合を追いかけていくことができなかった......
普通なら、追いかけるところなのに......
俺はどこまで最低なんだろう......