藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第14章 ♡Story38♡ 麻井真琴という女
『もしもし百合?』
「っ太輔!」
(よかったぁ......)
『っ電話すぐ出れなくてわりぃ......ちょっと料理に夢中で......』
「ううん、さっきお仕事終わって......
今そっちに向かってるt..『どちら様?』『っちょ麻井先生!』...ぇ?」
今女の人の声した......ナンデ?
『っ何でもない......』
「っ何でもなくないじゃん!」
何でもないって何よ......
私彼女なんだよ?
彼氏のうちに知らない女の人がいるなんて......
こんなこと......
「っ百合ちゃん!?」
突然声を荒らげた百合にびっくりする涼介。
「......。」
百合はスマホを強く握り締めた。
「っ百合ちゃん......もう少しで、着くよ?」
車の窓を覗いてみれば今現在住んでいるマンションが見えてきた。
「...ぁ、はい涼介さん......
じゃあ、もう少しで着くから...『っ百合!』_ピッ...」
百合はほぼ一方的に電話を切った。
「っ......」
(結局太輔は......
私のことをただの子供ってしか思っていなかったの?
私に無理して付き合ってただけ?
やっぱり、
大人の女性の方が太輔には合っていたの......?)
頭が思うように動かない百合はそんな言葉の数々が頭の中を駆け巡った......
「っ百合......ちゃん?」
「......。」
百合は涼介の問には答えずただスマホを握り締めていた......