藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第14章 ♡Story38♡ 麻井真琴という女
話を進めているとすっかり太輔の自宅マンション前まで来ていた。
「じゃあ、僕のうちはここなんで失礼します。」
「っちょっと待って!」
「......?」
太輔が真琴に会釈をしてマンションに入ろうとした時真琴は止めに入った。
「よかったらもう少し話しません?」
「っでも......」
「いいじゃないですか!
あ、もしかして彼女さんとか一緒に暮らしてるんですか?(笑)」
「っ!......別に、彼女となんて......暮らしてませんよ......」
「そうですか......じゃあ彼女さんはいるんですか?」
「っ別に、これといった彼女は......」
(いると言っても、余計な散策させて百合のことがバレたらまずいもんな......)
俺と百合の関係は、一般人と芸能人......その前に、
教師と生徒という壁がある......この事が世間にバレればえらい事になる。
ただでさえ、有栖川雅の件があるし百合の事務所は恋愛禁止条例の挙句
その処分はかなり厳しいものらしいし......
こないだ出た藤城くんとの熱愛噂記事に俺らの写真が載せられてしまった。
そんな状況の中でも、俺らの関係は続いている。
それは信頼できる人達が周りに居て、
俺らを守ってくれてるから成り立っていること。
いくら前の仕事場の同僚とは言えこんなことは口を避けても言えない。
今の仕事場だって、北山先生や二階堂にしか知られてないし......
「藤ヶ谷先生、モテそうなのに恋愛には結構奥手そうですもんねぇ(笑)
ってっことは今はフリーってことですよね?」
「っまぁ......」
「じゃあ......私、彼女候補に立候補しちゃおっかなぁ(笑)」
「え゛......?」
「だって今フリーなんですよね?」
「っそう、ですけど......僕はそういう事に興味ないんで遠慮します。
僕みたいなのより、一緒にいて楽しい人は山程いるでしょ......
そちらに回ったほうがいいですよ。」
「......。」