藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第14章 ♡Story38♡ 麻井真琴という女
「もう、誰かが傷つくところを見たくないんです......
もちろん学校のみんなや家族、柊さん達も......大事な人達が傷つくのは、
嫌なんです......
『怪我...は...ない、か......?』
『ぅん......何で庇ったの!?
太輔が犠牲になることなかったのに......』
『だって言っただろ......俺が、お前を守るってよ......』
『っ太輔!』
『とにかく、お前が無事で.....良かった...よ......』
私なんかの為に、誰かが犠牲になるのは嫌なんです......
どうせ犠牲になるんだったら......私ひとりだけが......」
「......まだ、事故のこと引きずってたんだ?」
「記憶が戻って、いつもの太輔戻ってくれて凄く嬉しかった......でも、
太輔が私を庇って大怪我をして......その上に記憶までを失わせてしまったんです。
私の、不注意で......」
「っあれは百合ちゃんのせいじゃないよ!
藤ヶ谷先生は、百合ちゃんを守るのに精一杯だったんだよ......もし、
大事な人が大事故に巻き込まれるんだったら、自分を犠牲にしてまで
その人を守りたいって思うんじゃないかな?
今の百合ちゃんと同じように......」
「......。」
「事件は責任を持って俺達が片付ける。
だから余計な心配はするな、美咲さんも協力してくれてるしな......」
「......はい、」
_コクッ「......志村、俺らは帰るぞ。」
「あぁ......ん?」
「......?おい、どうした?」
「いや......あれ......」
踵を翻し帰ろうとしたとき徹平は偶然マンションの下を見て疑問の声を上げた。
「まさか、アイツの手下達か?」
「違くて......あれ、藤ヶ谷先生だよな?」
「太輔?」
「別にここが自宅なんだから、いるのは当たり前だろ......」
団司も下に目線を送った。百合も釣られるように視線を下に下ろした。
「一体なn...っ!?」
百合は思わず目を見開いた。