藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第13章 ♡Story37♡ 有栖川雅
「......それは、
俺の妹だ。」
「妹?」
「あぁ、百合ちゃんとも接点があるよ......」
「百合ちゃんと接点があるって......美香ちゃんとか?」
「いや、違う......」
「じゃあ......誰?」
「片桐奈央......
兄のお店で、アルバイトをしている......」
「っ片桐奈央って......こないだの文化祭にいた、あの子?」
(でも名字が違う......確か彼女の話によれば、
その彼女はAnnieの社長の孫娘と聞いたが......どういうことだ?)
「っ奈央ちゃんって......
確か百合ちゃんが所属してる事務所の社長の孫じゃなかったけ?
もし奈央ちゃんが妹なら、美咲さんも社長の孫ということになるんじゃ......」
「あぁ。俺と奈央は、同じ母から生まれた実の兄妹だ。
妹は、父と別れたあとに生まれたんだ。」
「じゃあ美咲さん達の母親は、片桐社長の娘となるんですよね?
あなたの存在は、社長は知っているのですか?」
「俺が生まれたことは知っているが、俺が有栖川の人間だとは知らないはずだ。
俺の存在は、奈央にもわかっていない......そもそも、奈央は別の父親の子なんだ。
俺は母に、奈央は父に育てられた......」
「両親が別れ切って、離ればなれになったってことっすか?」
「そうだね。有栖川財閥が危険だということは二人もわかっていた。
だから別居したんだと思うよ......だから、
父親は有栖川家と関わりを持たない奈央を引き取ったんだ。」
「なるほど......意外な繋がりでしたね......まさか、
片桐社長の孫でもあるなんて......」
「不思議な縁だ......だが奈央の存在は、兄に分かってしまってね、
それ以降、兄は俺を脅し利用してきた......」
「“俺の言うことを聞かなければ奈央を傷つける”......といったところですか?」
「......そうだね......」