藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第11章 ♡Story35♡ 恋愛禁止の理由
「社長......僕自身はどうなっても構いません。
ですが、その規則を変えてください。
今居るタレント達を、チエコさんと同じにしないでください。」
「......涼介、」
「はい。」
「そのことに関してはもう少し考えさせてくれ......だが、
お前の解雇の件についてはナシにする。」
「っ!?」
「百合もまた、一人の孫のように思っている。
それに事務所側からして彼女の消失は避けたいところだ。
百合は私自身にとっても、事務所にとっても不可欠な存在だ。
そう安々と手放したくはない......」
「っ......」
「そんな百合に必要なのは......
涼介、お前だ。
お前は百合を一人の妹のようにも大切にしている、
彼女のメンタル面も支えているのはお前だ。
お前がいてくれたおかげでもある......」
「っそんな僕は......藤ヶ谷さんほど、支えてなんかいませんよ......」
(百合ちゃんを本当に支えているのは、あの人しかいないんだよ......)
「そうかもしれないが、彼より芸能界の裏を知っているのはお前だろ?
今まで一般人だった彼女が、いきなり事務所に推され戸惑っただろう。
だがお前は的確にアドバイスをした。
それだけでも彼女は慣れない仕事にも励むことができたんじゃないか?」
「......俺が?」
「彼女を支えているのは、決して彼だけではない。
家族、友人、恋人......周りにいる人全てが
違う形で彼女を支えているんじゃないか?」
「っ......」
(俺、百合ちゃんを支えられていたのか?
彼女を、ダメにしていないのか......?)
「......事務所の規則に関してはできるだけ早く結論を出そう。
今日はドラマの撮影があるというのに、引き止めて悪かった。
早く彼女の元へ行きなさい。」
「っは、はい!」
少し戸惑いながらも、涼介は社長室を後にした......。