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それでも君がいい。
第10章 記録.10
着替えを済ませ、下へ降りる。
キッチンの方はだいぶ賑やかだ。
作り終わるまでの間、僕は咲紀と話していることにした。
「良かったね、祝ってもらえるなんてさ」
皮肉っぽく言ってきた。
「咲紀だって祝ってもらえるさ」
そう言うと、はっ、と嫌な顔をする。
「え」
祝ってもらえるなんて嬉しくないのか?
じっと見つめると、咲紀は、
「こっちみんなハゲ」
と頬を殴った。
意味が分からない。
つまり、照れ隠しなのかな。
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