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それでも君がいい。

第1章 記録.1


「薬、飲んだ?」

僕は咳をした夏芽にそう聞く。
彼女は重い病気を患ってる。

だからいくつもの薬を飲んでいる。
出来るならば変わってやりたいぐらいだ。

「ええ。翔馬に言われる前に、きちんと飲んだわよ!」

「えらいえらい!」

僕達は幼なじみでも家族でもない。
ただの友達、そして雇われの世話係。

雇われ、なんて響きが嫌だ。

けれど仕方ない。

「夏芽、今日はちゃんと勉強しなきゃダメだよ?」

「ぶー、分かってるわよ~」

でも、こんな関係も悪くない。
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