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それでも君がいい。

第1章 記録.1


「翔馬!」

彼女が僕の名を呼ぶ。

「夏芽」

ふわふわした茶色の髪を撫でる。
夏芽は嬉しそうに、

「えへへ」

と笑った。

つられて僕も笑う。

「これ」

「あ!青の薔薇!!」

「頼まれてたから摘んできた」

「ありがと!」

夏芽はニコニコしながら薔薇を花瓶に入れる。
そして、けほっ、と咳をした。
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