第19章 記録.19
「母と父は誰より世間を気にする人たちです。病弱の子どもをほったらかして仕事してるとなると、世間からの評価も悪くなるでしょう」
「評価....」
「結局、夏芽姉さんへの愛情は健康でどれだけ優秀なのかというところなのですよ。くだらない。あんな親、僕にはどう愛せと言われようと理解できませんよ」
瑛翔の気持ちは、よく分かる。
愛すことの意味も、愛される意味も。
だからこそ、僕は2人の孤独を救ってやりたい。
こんなにも、悲しい思いをする人達が多いなんて。
知らなかった...
「明日の夕方には2人とも発ちます。本宅へ一度、戻ると言ってました。」
「寂しくないの?」
「寂しい?もうそんな気持ち、僕は忘れましたよ」