第1章 相談があります
そう、この少女。攘夷志士である桂小太郎の彼女なのだ。
「いやいやいやいや 名無しさん!?俺ちょっと最近お前の前で下ネタとか言い過ぎたかも知れないよ!?でもそー言うことはまだ先のことじゃないの!? 」
「銀ちゃんの言うとおりネ! ななっしー がこの年から汚れるなんて、私許せないアル!」
二人掛かりでまくしたてる。
「…でも私、桂さんといろんなことしたいんです。付き合ってるはずなのに、それっぽいこと全くしてないし…」
「…はぁ」
「ようは、さ、ヤりたいんだろ?」
「えっ…」
名無しさんが頬を赤らめるところを見ると、どうやら図星のようだ。その証拠に小さく、本当に小さくだが、 名無しさんは頷いてみせた。
「…まじでか。よし、神楽、ちょっと出掛けてこい」
「ハァ!?こんなケダモノと ななっしーを同じ部屋にふたりっきりにするわけないアル!死ね!クズ! 」
「罵り方キツイなオイ」
「神楽ちゃんごめん…ちょっとだけ銀さんと話したいの。そのかわり後で酢昆布、食べに行こ」
「でも ななっしー が…」
「オイオイ、俺を誰だと思ってんだよ。立派な大人の銀さんだぞ?恋人がいるような女に手ェ出すなんざ野暮なマネしねェよ」
「信頼できないネ」
「神楽ちゃん、ちょっとだけでいいから」
「…」
「おねがい」
「…何かされたら大声だす、わかったアルか?」
「うん、ありがと神楽ちゃん」
「銀ちゃん、 ななっしーに変なことしたらマジ殺すかんな 」
「はいはい、お天道様に誓うっつーの」
「んじゃまーちょっと町内一周してくるアル」
「いってらっしゃい」
名無しさんと銀時は神楽を見送ると、席に着いた。