第3章 春 はじまり
2時間後―
「リーダー、帰って来るのって明日だったはずじゃあ?」
「予定より早く終わったからな。早めに切り上げて来たんだ」
あの後、リトとロウを追いかけ続けた挙句、2人をシバいたゼロがリンネの疑問に答えていた。どうやら今回の仕事はそれほど大きな仕事ではなかった様だ。
「それにしてもあの坊主、最近こっちに頼り過ぎてんなー……。そろそろ発破かけに行くかぁ」
そう言ったゼロはちらりとリンネを見た。
「リンネ」
「はっ、はい!!」
そして彼女は、思いがけない事を言った。
「お前、俺と一緒に街に行かねぇか?」