第1章 隠れた狂気
「って、訳なんですよね」
「へぇ…怖いねぇ」
昼休み、屋上で原先輩と昼食を食べていた。
その時にその事件の事を話すと、不真面目そうだが話を聞いてくれた。
花宮先輩は教室でいつも食べてるから、
俺は主に原先輩と昼食を食べている。
本当は花宮先輩とが良かったんだけど。
なんて口には出さないけど内心落ち込んで、
購買で買ったサンドイッチを一口食べる。
あーあ、つまらない。
空を見上げると曇り空。
何か嫌な予感がするのは気のせいかな。
まぁ、あまり考えすぎないでおこう。
俺は残りのサンドイッチを食べて欠伸をする。
後もう少しで部活だ。
早く授業全部終わらないかなぁ。
「あ、琴美!」
「なんですか?」
「サボっちゃおうぜ!」
「はいっ!?」
突然の発言に声が裏返る。
「いやだって、面倒いじゃん」
そう言ってガムを膨らませる原先輩。
確かに授業はかったるいけど、
サボるって…
「んじゃ決定ねー」
「俺もですか!?」
「とーぜん」
マジか。
まぁ、今日くらいサボったって良いか。
毎日真面目に授業受けてる俺は先生からの信頼が厚い。
だから少しサボったって猫被れば問題なし。
隣を見ると既に眠っている原先輩の姿。
寝るのはやっ…
少し呆れながらも俺は先輩の隣に横になる。
今にも雨が降り出しそうな雲行きだけど、
なんとかなるかな。
「ふぁあ」
欠伸をして目を閉じる。
するとすぐに眠くなり、
俺は夢の中へと誘われた。
どれ程寝ていたのだろうか。
目を開けると薄暗くなっていた。
隣では原先輩が爆睡している。
iPodで時間を確認すると、部活開始10分前。
やばっ!!
原先輩を起こして早く体育館に行かないと!!
「原先輩起きてください!花宮先輩に練習倍にされますよ!」
「んあ!?それはヤダ!!というか、もう放課後!?琴美!ダッシュダッシュ!!」
「え、ちょ、わぁあ!?」
手を引かれてダッシュで階段を駆け下りて体育館に向かう俺たち。
バンッと勢い良く体育館の扉を開けるともう全員揃っていた。
「おっせーよ。つか、なにし………」
花宮先輩は俺たちを睨む。
しかし、すぐに視線は繋いだ手の方に向いた。
「原、5倍」
「うぇぇえええええ!?」
「うるせぇ。さっさとしろ」
………なんか、変だ。