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【黒バス】もう一つの裏の顔【花宮真】

第1章 隠れた狂気


体育館に響くボールが床につく音とバッシュのスキール音。
そして、選手達の掛け声。
マネージャーである俺…琴美はある人を無意識に見つめる。
一つ上の先輩。

花宮真先輩。

無冠の1人で、肩書きは悪童。
プレースタイルは良いとは言えないが、
ラフプレーを除けば絶対に強い。

そんな先輩を好きになった俺。
入学当初は、先輩のプレースタイルに納得がいかなくて、結構口論にもなったりしていた。
でも、いつからか…何故か目線が合うたびに心臓が煩くなる。

しかも、無意識に目で追ってしまう。

先輩が他の女子と話しているのを見るとモヤモヤして、
もうこれは

恋確定。

「休憩です!」

休憩時間になり、選手達を呼ぶ。
すると、俺のところに真っ先に来たのは花宮先輩だった。

「琴美、スポドリとタオル」
「はい!」

名前を呼ばれるたびに顔が赤くなる。
誤魔化すように先輩にスポドリとタオルを渡して原先輩の方に向かった。

「琴美はほんっと花宮が好きだねぇ」
「入学当初はあんな仲悪かったのにな」
「しかも花宮に関しては名前呼びにまで…まぁ、俺たちもだがな」

原先輩、山崎先輩、古橋先輩の順に口を開く。
改めて言われると、恥ずかしい。

3人にスポドリとタオルを配り、
寝ている瀬戸先輩に近づく。

「瀬戸先輩、いー加減起きてくださーい」

そう言って体を揺さぶるが、起きる気配無し。
まぁ分かってたけど。

「………」

そんな俺を、花宮先輩がじっと見ているなんて、
知る訳がなかった。
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