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続きのシンデレラ

第2章 「女の子」だけの特別。 【Type N】


あの時、唇が触れてたら、どうしてた?
からかうだけで、キスなんてするの?



さっさと先を歩く和君に追いついて、そういえば、ともう一つの疑問をぶつける。



「ねぇ、レコーディングの時、なんで私が和君のこと呼んだって分かったの?」



和君は一瞬驚いたような顔をして、その後はまた意地悪な笑顔になる。



「さぁ、なんででしょう?」
「またそうやって…」
「皆が気付かないことに、俺だけ気付けちゃうのはなんででしょうか?」
「えぇ~?」



文句の一つでも言ってやろうと思った瞬間、唐突に和君からクイズのような問題を出された。
私は純粋に頭を捻り、考えてみた。



「簡単なのにね~。」
「う~ん、和君が周りをよく見ているから!とか!」
「まぁ、惜しいかな。正解は、俺が小雨のことをよく見ているから。」



風で私の顔にかかった髪を払いながら、その手で優しく頬を包む。
和君はふんわりと笑った。
いつもの小悪魔な笑みとは全然違う。
ドキドキが止まらない。



「なんて。今日は小雨が『女の子』だったから、にのちゃん特別大サービス。じゃ、俺こっちだから。」



じゃあね、と手を振りながら反対方向へ消えていく和君。
本当なのか、嘘なのか。
彼にはいつも、振り回されてばかり。
さっきまで触れていた頬が、まだ温もりを感じている。
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