第4章 不思議な力 【Type O】
「できるよ。」
「…へ?」
智君に話を聞いてもらえただけで満足していた私は、唐突に聞こえた力強い返事に、間抜けな声を出してしまった。
「いつか絶対、できるよ。」
智君はそう言ってくしゃっと笑いながら、私の頭もくしゃっと撫でた。
「嵐って、やりたいこと、なんでも叶えられるグループなんだよ。」
「…すごいね。」
「うん、すごい。」
私と智君は、顔を見合わせて同じタイミングで笑い出す。
でも、さすがはリーダーと言いますか。
智君がそういうなら、実現するんだろうな、全曲ライブ。
「楽しみだな~、全曲ライブ。」
「その為にはまず、次の曲の振り付けを覚えないとね。」
先に立ち上がった智君は、私に手を差し伸べて微笑む。
私はその手を掴んで立ち上がる。
「頑張らせていただきますっ!」
いつもみたいに、自分で頬を叩いて気合を入れる。
今日はいつもより力が入る。
いつかくるその日の為に、まずは今日を頑張ろう。