第2章 再会
その慌てように理一は、くつくつと喉を鳴らして笑った。
『ちょっと!?笑い事じゃないよ?』
「大丈夫だよ。皆、そんなに気にしないから。それに、母さんも会いたいって言ってたし」
『おばさんが?そう言えば、会ってないなぁ。卒業式に会ったっきりだもんなぁ…』
「ね?決まり!」
迷っているうちに、勝手に行く事を決められてしまった。
『で、でも、何も持たないで行くのは…』
「大丈夫だって」
『それなら私、準備してから行くよ。家の場所、知らないから後で待ち合わせしてもいい?』
「構わないよ。それなら、お昼過ぎでも大丈夫かな?僕も買い物があるから」
『わかった。それなら、あそこのコンビニにしよ。あっ、あと電話番号とか教えて?何かあったら困るから』
「そうだね。じゃ…」
連絡先を交換して、13時半に、と言って別れた。それから急いで家に帰ると、着替えてもう一度町のあるお店に向かった。
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そして13時半、5分前。
コンビニの中で待っていた理一が、コンコンッと窓を叩かれる音で外を見た。
ニコッと微笑むは、先ほどとは違う格好をしていた。水色のワンピース。
高校時代に見た制服も、とても似合っていたがワンピース姿も似合う。と、見とれていた。
『…ん?…陣内くん?』
「あ…ごめん」
『大丈夫?何処か、具合でも悪い?』
「そんなことないよ。があまりにも綺麗で見とれてたんだよ」
『…へ?』
ボッと顔に血が集まり、赤くなるのがわかった。
『な、なななな何言って』
「だって、本当に可愛いんだもん」
『※%#〆〇ッ!?』
「うん、言葉になってないよ?」
だもん、って!?三十路の大人が使っても…可愛い…けど…
ひたすら百面相をしているの手を握った。それに対しても、さらに思考を停止させられ引きずられるようにサイドカー付きのオートバイまで連れてきた。
『えっ、これ陣内くんの?』
「そうだよ。さっ、乗って」
ヘルメットを渡され、大人しくサイドカーにお邪魔した。
「そう言えば、その袋は?」
『んー、陣内くんの家族が何人いるか分からないから、おばあちゃんの誕生日プレゼントだけでもと思って』
家に帰るまでの間、最近の出来事を話した。