第7章 小学校編-修学旅行-
バスに戻ると新一は先に戻っていた。哀が隣に座ると、窓の外を見ながら
新 「志保と何話てたんだよ?」
哀 「別に何もないわ」
新 「そうか」
それだけの短い会話。みんな席に着き帰りのバスが出発した。新一と哀の間には会話はない。元々二人は口数が少ない方だから。しかし志保は前の席から後ろに乗り出し新一に話かけてくる。
志 「ねぇ新一?」
新 「なんだよ?」
志 「哀より私が隣の方がよくない?」
哀 「どういう事志保?」
志 「だって哀喋らないから~、新一暇でしょ?」
新 「いいよ俺眠いし寝るから」
そう言って新一は眠りについた。
哀 (そうね私は志保と違って話さないから、新一私といてつまらないのかな・・・)
そう考えつつ新一の横顔を見た。本当に寝ているのか、寝たふりしているのか解らなかったが、哀はその横顔を見つめていた。
志 「哀、席変わろうか~?」
哀 「結構。それより前向いて座ってなさいよ。私も寝るから」
そういって哀は目を閉じた。東京までバスで3時間、みんな旅行の疲れから眠る者が大勢いた。哀も目を閉じていたがいつに間にか本当に眠っていた。初日の寝不足もあり哀は熟睡していた。新一も毎晩出かけていたので熟睡していた。バスはいつのまにか学校へ着いていた。それでも二人は起きない。その様子を歩美と志保は見ていた。
歩 「ねぇ、志保写真撮っちゃおうか?」
志 「駄目よ、そんな事したら哀が喜ぶわよ」
歩 「でも哀の顔幸せそうだよ~」
志 「・・・そうみたいね」
パシャ カメラのフラッシュが光った。外はもう薄暗くなっていた。その光で哀は起きた。
哀 「あ、寝てたみたい」
歩 「哀、幸せそうに寝てたよ」
志 「あんたね、よくそんな事できるわね?」
哀 「そんな事って?」
歩 「志保それは秘密だよ」
哀 「歩美なんなの?」
歩 「あとのお楽しみ~♪」
志 「ほら、新一起きなさいよ~」
そう言って志保は新一を起こす。
新 「あ、もう着いたのか。最近寝不足ですっかり寝入ってたよ」
こうして小学校最後の修学旅行は終わった。その一週間後、