【ハイキュー‼︎】【オムニバス】 岩泉一の恋愛事情
第7章 悩まされる……
『おまえ、いまどこにいる?』
公園のベンチに座っていたら、はじめくんから電話があった。
「いつもの公園……ごめんなさい、急に」
『バカっ、いま何時かわかってんのか!?』
何時って……
「あ……」
言われて気がついた。
もう21時近い。
『今すぐ行くから、あと10分だけ待ってろ。つか、灯りの下』
「え……」
『明るいところにいろよっ!』
明るいところ?
言うだけ言って、電話が切れる。
そしてきっかり8分、はじめくんがものすごい勢いで走ってきた。
「はじめくん、急がなくてもよかったのに……」
肩で息して、制服のネクタイすらしめてない。
「ごめんね、部活があるのわかってたのに、……」
「ばっかやろう!」
「ひっ……!」
いきなり怒鳴られて、思わず小さく声を上げてしまった。
つりあがった目が睨まれて、もう肩をすくませるしかない。
「ごめん、なさい」
やっぱり部活ある日は忙しいし、こういうのダメだよね……
「……忙しかったよね」
「ばっか、そんなんじゃねぇよ!」
いきなりがばっと正面から抱きしめられた。
「……っ、はじめ、くん?」
「こんな遅くまで外でこんなとこで待ってるって、おまえ、危ねぇヤツだっていんだぞっ!」
そんな大げさな……
「今、大げさとか思ったろ」
頭の上にある彼の顔は見えない。
でも、絶対睨まれてる。
「何でわかるの……?」
「おまえはいっつも甘いんだよ。絶対疑ったりしねぇし」
「疑うって……」
「この公園、夜も人多いけど、夜に女一人ってだめだろっ!」
なんか本気で怒られてる、私。
「あ、うん、ごめ、……」
「おまえが謝ることじゃないだろ!」
また、怒られる。
はぁ。
大きなため息。
「……悪ぃ、ホントは俺が悪い。こんなところでずっと待たせて」