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奇跡のシンデレラ

第2章 始まりのシンデレラ


季節は夏真っ盛り。
いよいよ秋のツアーに向けても本格的に動き始めるようで、基礎の動きを身に付けていたダンスレッスンも、発声や音程の取り方を喉に覚えさせていた歌のレッスンも、ツアーに必要な曲をひたすら繰り返し練習するフェーズに移行していた。



「はい、じゃあ今日はここまで。」
「ありがとうございました…!」



過酷なダンスレッスンを終え、ふと時計を見るとミーティングまで残り15分。
今日はこれからツアーミーティングがあり、二度目の顔合わせとなる。
同じ事務所内での移動だが、今日だけは遅れるわけにはいかない。
私は慌ててシャワーを浴び、濡れた髪もろくに乾かさないまま会議室へ走った。



「おはようございます!」



私はドアの前で小さく気合を入れ、『第一印象を大切に』といつもメイド長が言っている言葉に忠実に守って元気に挨拶をして笑顔で入った。



中にはすでに嵐が5人揃い、長机を囲むように座っていた。
挨拶を返したり、会釈をしたり、あの会見の日と反応は大体同じだった。
私はとりあえず、一席だけ端に空いていた大野さんの横に座った。



会議室にはツアーの主要スタッフ数名がいたが、その中には以前私のメイクを担当してくれた方と、衣装を担当してくれたスタイリストさんがいて、見知った顔もあることに少し安心した。



「んじゃ、とりあえずこっちの挨拶からやっちゃっていいッスかね。」



大野さんの横に座っていた松本さんが、全員揃ったことを確認してから口を開いた。
スタッフはどうぞ、というように手をヒラヒラと振った。



「えーっと、じゃあもう知ってると思うけど。改めて自己紹介するわ。俺、松本潤。」



松本さんは私から見えるように少し体を前に乗り出して自己紹介をした。
そして、言うが早いが目の前に座っていた櫻井さんに手を向け、次を促した。



「櫻井翔です。よろしく。」



櫻井さんはチラと私に目をやると、隣の相葉さんの肩を叩いた。



「相葉雅紀でっす!」



相葉さんはテレビで見るような元気さで自己紹介をしてくれた。が、目はこっちを見ていない。
そして、少し間があって隣の大野さんが天井を仰ぎながら自己紹介をする。



「大野智~。」
「二宮和也。」



二宮さんは食い気味に素早く名前だけ言うと携帯をいじりだした。
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