第1章 プロローグ
自分でもわかるくらい《異常》だと感じている。
殺人現場に居合わせたことがあるのはもう数件もある。
引き裂かれる肉体。
恐怖を覚えて発する悲鳴。
飛び散る血飛沫。
まるで画像のように…
ドラマのように美しさを覚えた。
両親はいない。
交通事故だ。
私も乗ってる車にトラックが突っ込んできた。
見えたのは
赤、朱、緋、紅、アカ…
それしか覚えてない。
祖父母も既に他界しており、両親は兄弟がいなかった。
必然的に私は天涯孤独となった。
施設に入れる。
警察がそんな話をしていた。
___どーでもいいよ
そう思った。
馴染めなくていろんな施設を転々とさせられた。
紫陽花園
そんな名前の施設長が
「私の娘になる?」
そんな感じで聞いてきたと思う。
そこからはトントン…
中学卒業までは施設にいて、卒業と同時に一人暮らしをさせてもらった。
優しい《義母さん》。
椋[リョウ]さんはまだ若いのにしっかりしていてみんなに慕われていた。
「どこにいても私の娘には変わりないわ。他の人よりも大人びてるとか、少し変わってるとかそんなの関係ないもの」
その言葉に助けられた。
高校に入って一年。
もうそんなになった。