第3章 突き進め!!苦難なお笑いの道へ~
「続いて語源だが、博徒用語ではサイコロの1の目を「ピン」と呼ぶ為、ここから派生したものである。芸人の社会的地位が低く、(興行師を含めて)博徒と関わりが深かった時代の名残といえる。」
それから吉田講師はピン芸人のネタの芸風について説明しながら例となる芸人さんの動画を見せてくれました。
グループであればボケとツッコミの担当を分担することができるが、ピン芸人が単独でネタを演じるときはそれができない。そのため以下のような方策がとられる。
1:日常生活・メディアなどに存在する矛盾を指摘する。漫談でよく使われる手法。
「これは厚切りジェイソンさんだろう。彼は漢字を得意とするネタを披露しわずか3ヶ月でR-1ぐらんぷりにのし上がった実力派だ。」
2:日常生活でよくある出来事を述べるいわゆるあるあるネタ。あるあるネタを言うだけ、もしくはそれに対して突っ込むことで聴き手の共感を得る。派生としてボヤキ・自虐ネタがあり、貧乏・不運な出来事などを織り交ぜて共感と笑いを得る。
「こちらは、だいたひかるさんだろう。歌ネタの歴史でも彼女について説明したが”どうでもいいですよ~”から始まる彼女の独特な語りに注目して頂きたい。」
3:自作のイラスト・フリップなどを用いる。紙芝居の形態をとるものを含め、めくり芸と呼ばれる。アイデアがなによりも勝負のジャンルであるが、話術や画才も求められるケースが多い。
「こちらはバカリズムさんがまさにその通りだ。彼はコンビ時代を経てピン芸人となっている。そんな彼のコンビ時代のコンビ名がバカリズムだった。そして彼が現在もこの名前で活躍している理由はな、新しく名前を変えると芸歴がリセットされてしまうからだそうだ。コンビを組んでいてピン芸人となった方は他にはカンニングの竹山さんなんかもそうだ。ただ、竹山さんの場合は相方さんが亡くなってしまっているからな。バカリズムさんの場合はコンビを解散させてしまっているがこの点が大きく違うぞ。」