第6章 お笑いというカテゴリーを乗り越えれば冬が来る
ピンポーン
「はい。」
ガチャ
ガラー
「こちら警察のものですが。」
「済みません。こちらのおばあさんが私の家を訪ねて来ましてパジャマ姿でしたので多分ご自宅がわからなくなったのだと思います。それで一応警察の方に連絡しました。」
「ご協力ありがとうございます。おばあさんを送って行きますので傘を貸しては頂けないでしょうか?」
「はい、どうぞ。」
そう言えば雨が降っていたな、と思い警察の方に傘を貸しました。
おばあさんがどこから来た方なのかはわかりませんでしたが話を聞いていると同じ方の名前を口にされ、旦那さんの名前だと思います。そう言えばおばあさんの言っていた人は私は聞いたことがありまして以前私の隣の家が火事になった時にちらっとお会いして名前を聞いた気がしました。警察の方にそのことを伝えるとその方の家におばあさんを連れて行ってみるとのことでした。警察の方は私の家の電話番号と私の名前を聞いておばあさんを連れてお帰りになりました。
「おばあさん、無事に家に帰ったのかな?」
と私が安堵していると数分後、警察の方から連絡がありおばあさんは無事に家に帰宅されたとのことでした。
「なにわともあれ無事で良かった。」
私もすごく心配していたので家に帰ることができて良かったですね。最初は怖い人だったらどうしようと思っていましたが開けてみたらおばあさんで良かったです。
「あっ、いけない。銭湯へ行かなくちゃ。」
あ~もうこんな時間だと慌てて銭湯へ行ってきます。
この日は私の家に警察の方が2名来られ外にはパトカーが止まっていました。それと私に警察の方が連絡してくださった時に”傘ありがとうございました”と傘を返して頂きました。まぁコンビニで買った安いビニール傘なんですがお役に立てて良かったです。それにしても今日は良いことしたけれど疲れちちゃったなぁ。銭湯から帰ったら早く寝ようっと。それではおやすみなさい。