第6章 お笑いというカテゴリーを乗り越えれば冬が来る
「あ~バイトも終わったし帰りますか。」
この日のバイト終わりにスーパーに寄って食材を買い、薬局でシャンプーと生理用品買って帰りました。
「ただいま~って誰もいないけどね。」
玄関の鍵を締めて廊下を進み部屋の電気をつけて買ったものを仕舞いました。
そして夕食を作り、食べ終えた所でした。
「あとは洗い物して銭湯に行きますか。」
私が食器を下げて片付けようと立ち上がった時です。玄関の方からガタガタと音がしました。
「何?台風でも来てるの?いや、そんなはずはないけど。」
私は食器をテーブルの上にひとまず置いて玄関の方へ近づいてみました。
「もしかして、玄関開けたら刃物持った人がいきなり襲ってきたりとか?怖いよ~。」
とりあえず襲われないように玄関の傘を手にして玄関のドアの近くまで来ました。
「あれ?でもシルエットが男性じゃない?」
私の古民家は玄関がガラス張りになっていて(サザエさんの家の玄関と近い作りです)誰がいるのかうっすら見えるんです。
「開けた方がいいのかな?」
どう見てもシルエットが男性じゃないよな?よし、開けよう。
ガチャッ
ガラ~
「あの~もしもし?」
「え?おばあさん?」
私が恐る恐る玄関を開けるとパジャマ姿のおばあさんが立っていました。
「何か御用ですか?」
私が大きな声で話すとおばあさんが広告と大きな紙を差し出してきました。
「あなたの家は3回目だったかねぇ。これなんだけど。」
と、おばあさんが差し出した紙を見るとそこには”今晩はテレビを見た後は寝て下さい。決して外へ出ないで下さい”の文字が目に入りました。
「これを書いた方は誰なのですか?」
と私が聞くも話が噛み合わないためとりあえず私の家に招き入れて警察へ電話することにしました。
「ありがとうございます。すぐに来てくださるんですね。」
警察の方に電話したら私の家まで来てくださるとのことです。
そしておばあさんの話によると色々な家を回っていたが誰も開けてくれなかったことや恐らく認知症の方で徘徊されたのかな?と思いました。
私はおばあさんにお茶を用意して玄関先に座っているように声をかけたりおばあさんの話相手になり警察の方を待ちました。
暫くして警察の方が来てくださり私は事情を話していました。