第6章 お笑いというカテゴリーを乗り越えれば冬が来る
「でもそういうのはまるのわかるなぁ~。僕も小学生の時一時期オロナミンCにはまってて毎日飲みたいな~ってお母さんに言ったら”毎日飲むと効果がないんだよ”って言われてちょっとがっくりしちゃったな。」
最初君も話を合わせました。
「なるほどね。あら、千花夏さん話について行けなくなっちゃったとか?ごめんなさいね。」
「そんなことないって!いや、むしろ新鮮な話が聞けて嬉しいっていうか。」
確かに2人の話はついていけない時も時々ありますが私の知らない世界に誘ってくれて感謝です。
「なら、よかったわ。」
そして話題は最初君の弁当の話になりました。最初君はいつもはコンビニ弁当かおにぎり、コンビのラーメンなのにこの日はお弁当でした。
「っていうか最初君、それ自分で作ったお弁当なの?」
と、私が聞くと”そうだよ”と言ってきました。
「ついに弁当男子来ましたかぁ。」
私とななみさんが感心していると他の養成所メンバーがやって来ました。
「何だって?」
「今日の最初君、珍しく弁当だよ。」
ななみさんが勝手に最初君のお弁当を紹介していました。
「チュニジーは実家暮らしだからお弁当はいつもお母さんが作っているの?」
私は他の男子にも聞いてみることにしました。
「うん、そだよ。いつもママがおいしの作ってくれたります。」
と相変わらずの日本語でお弁当を見せてくれました。
「へぇ~おいしそうだね。それで相方の大和君のお弁当は何?」
ななみさんが大和君に聞くと大和君は自慢げに袋を見せてきました。
「近所のパン屋のおばちゃんがタダでくれたパンの耳だよ。俺って料理しないからさー。あとはコンビニ弁当とかお惣菜とか買ったりするよ。」
大和君はそう言いますが今日のお昼をパンの耳だけで済ませようとするその潔さになんて言っていいやら正直困ってしまいました。栄養ちゃんと取ってます?って言ったらお母さんみたいな小言に聞こえちゃうのでここはスルーです。
「おお!一番弁当男子って感じなのは八田君のだね。」
みんなが八田君のお弁当に注目すると料理本に出てきそうなくらい美味しそうでした。
「弁当男子兼料理男子目指してますから。のりは醤油につけてからもう一度焼くとおいしいのり弁のなるよ。」
「へぇ~。凄いな。」