第5章 真っ赤なお笑いの秋に!
9月6日になりました。この日はなんと・・・最初君Happy birthday!!
私とななみさんは最初君より先に養成所に来ており驚かせる作戦にすることにしました。上手くいくかな?
「千花夏さん、来たわよ。」
「うん。」
最初君が養成所のドアを眠そうに開けて入ってきました。そんな最初君ですが下げているリュックのチャックが少し開いており中から定規が落ちていきました。
「あ~気が付かないとかバカ!?」
ななみさんが笑いをこらえるのに必死な中私は”拾った方がいいんじゃない?”と少し不安でした。
「ちょっと、最初君!」
そこにななみさんが最初君の方へ歩き出しました。
「後ろを見なさいよ!定規が落ちてるわよ。」
「えっ?うわぁ・・・気が付かなかったな。」
最初君は指摘されて驚いていました。
「リュックのチャック開いてるし。」
なんみさんがため息をつきながら定規を拾いました。
「相変わらずドジだな~。本当に20歳かよ?」
「えっ?何?どういうこと?」
最初君は状況がつかめずしどろもどろでしたが、私も駆けつけてようやく何かがわかったかのように頷きました。
「お誕生日おめでとう!」
私達はクラッカーを手にして鳴らしました。しかし、ただ鳴らすのでは面白くないため最初君の耳をめがけて、パパパーンと勢いよく鳴らしました。
「や、やめろー。耳は反則だって。」
この時の最初君の耳が真っ赤だったので思わず笑ってしまいました。
「あとは、ななみさんが20歳になればこれでみんな揃うわね。」
私は笑顔で言いました。
これで私と最初君、コンビ揃って20歳だ!節目の年に何しようかな?
そして恒例のプレゼントを渡しました。私は最初君にブレスネットを頂いたのでお返しに何にするか迷ってしまいました。でもななみさんと一緒に買い物したので選べてよかったです。
「最初君、お誕生日おめでとう。これでコンビ揃って20歳だね。今年は節目の年になるといいな~。はい、これ。」
「ありがとう。」
私が贈ったのはアルバムでした。
「これで2人のコンビとしての思い出を挟んで行ったらいいかなーって。」
私はプレゼント渡すとき緊張して手が震えてしまいました。しかも男の子にあげたなんて弟か父の日位だもんな。