第5章 真っ赤なお笑いの秋に!
次の日の朝廊下に出たら昨日の”ガ”はいなくなっていました。
「あれ?おかしいな・・・昨日いたはずなのに。」
昨日は銭湯に行った後アレ!を逃がさねばと格闘していましたが他の部屋に入ってきたら困るのでやめて足早に廊下を去りました。折角銭湯に行っていい気分だったのに恐怖ですっかり冷めちゃって。昨日はあまり眠れなかったですね。だって夢に出てきたら嫌だもん。
昨日いたはずのアレはいなくなっていました。もしかすると昨日の夜暑かったからどっか逃げたのかな?外に行っちゃっていれば安心ですけどね。このことを今日の養成所で2人に話したらななみさんは分かってくれて頷いていましたが最初君はいまいちわからなかったみたいでした。
「そんな小さい虫ごときでいいじゃんかよ。」
「よくないよ。すごく怖かったんだって。」
私は必死の思いで訴えました。
「でもななみちゃんは沖縄出身だからそういう虫も慣れてるのかと思ったよ。」
最初君が呆れてななみさんに聞きました。
「さすがに虫は嫌よ。でも蛇には慣れたけどね。」
と言うななみさん。
ちょっと本気ですか?虫も怖いけどそれ以上に蛇の方が怪しんですけど。
「えええ?」
私と最初君は驚いてしまいました。
「沖縄には蛇いっぱいいたわよ。それとヤンバルクイナとかオキナワトゲネズミとかクロイワトカゲモドキなんかもいたわね。あとはヤモリが多かったかな?」
さすが沖縄には珍しいモンがいっぱいいますね。ちなみにななみさんの一押しはアオカナヘビだそうで草と同じ色だから同化してるところがいいそうです。でも、もし私が沖縄出身だったらそういうモンにも慣れるのかしらね。いや、想像しただけで怖いな。
さて、養成所の講義ももうすぐ始まるので行ってきますね。
今日は家に帰ったらゆっくり寝るぞ!!