• テキストサイズ

女芸人の日常

第4章 私のお笑い計画書


8月9日になりました。ハックション!とくしゃみをしたくなるような日ですね。そう言えば昨日は養成所終わりにななみさんと私とで最初君のアパートでオムライスを作りました。
「これって佐賀県の地鶏??」
私は卵のパックを見てびっくりしました。
「そうだよ。山之内農場のはおいしいよ~。」
さて、洋食の日と言うことでオムライス作りがスタートしました。序盤はケチャップライスをみんなで作りましたがうまくいきました。しかし、卵をくるむのがうまくいかず・・・。
「えーななみさんのやり方ってずるくない?」
ななみさんはケチャップライスの上に半熟卵を乗せて包丁で卵に切れ目を入れていました。
「だって包むのってうまくいかないじゃない?だったらこれの方がいいと思ったのよ。私は芸人初の料理本を出すのが夢でもあるのよね。私のモットーは楽々手抜きなのに手が込んで見える料理よ。錯覚を狙っちゃえってことね。」
ななみさんは手際よくお皿にオムライスを完成させていました。
「すごいな。」
なんか私と最初君で感心させられてしまいました。
やっとオムライスが完成してみんなで食べたらすごくおいしかったです。特にななみさんはオムライスが好きだと言っていたので美味しそうに食べる姿が絵になっていました。
そんなこともありましたね。そんな楽しい思い出もつかの間の養成所では新しいことを学んでいくのですが覚えることがたくさんで大変です。学校みたいにテスト形式だったらいいんですけどね。授業をしっかり聞いてネタ見せにいかに生かすかがポイントですね。
この日は”お先に勉強させていただきます”を学びました。
「寄席にて、楽屋の一番奥には大抵一番芸歴の長い、あるいはその日に出演するなかでトリとなる芸人が陣取っている。その芸人よりも前に出演する芸人は、必ずその楽屋を通り過ぎてから舞台に立つような作りになっているため、この言葉を言ってから舞台に上がり、終わった後は『勉強させて頂きました』と言ってその楽屋を後にする。以前、よゐこが松竹の舞台に上がる際、その時楽屋の奥に陣取っていたミスハワイ師匠に対し、『ちわーっす』程度の挨拶しかしなかったため、『死ね!』と説教されたエピソードがあるらしい。このエピソードは本当かどうか定かではないが君達は先輩への挨拶は大切にして頂きたい。これは社会人では常識で上司への挨拶と同様だからな。」


/ 318ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp